「マザーツリー」
森に隠された「知性」をめぐる冒険
この森もまた、インターネットのようなものだった。
コンピュータがケーブルや電波でつながっているのとは違い、森の木々をつないでいるのは菌類...。
それは私たち人間の神経伝達物質と同じ化学物質であり、イオンがつくる信号が菌類の被膜を通して伝わるのである。。。(本文より)
物語は著者の生い立ちから始まり、所々で小出しで語られていくその核心に迫る研究の成果が読み手を惹きつけて止まない。

コンピュータがケーブルや電波でつながっているのとは違い、森の木々をつないでいるのは菌類...。
それは私たち人間の神経伝達物質と同じ化学物質であり、イオンがつくる信号が菌類の被膜を通して伝わるのである。。。(本文より)
物語は著者の生い立ちから始まり、所々で小出しで語られていくその核心に迫る研究の成果が読み手を惹きつけて止まない。

読み進める中で、逆に興味深かったのは、これだけ明らかな研究成果が出ているのに、森林局の監督官は決してそれを受け入れようとはしなかったことろでした。同じように林業の在り方に疑念を抱いていた何人かの監督官からは相談を受けるに至るのですが、当初は誰からも相手にされず、研究の存続すら危ぶまれるような状況、結婚し支えあい、子供を育てながら研究に埋没していく姿は、決して順風満帆とは言い難いものに思えたのでした。
人に働きかけて世の中を変えていこうと思うならば、どうやってそこまで辿り着いたかを知ってもらう必要があって、研究の成果だけでなく生い立ちから現在に至るまで、ここまで赤裸々に語られたら、誰もがその人柄を好きになるんじゃないかな。そんな人となりを応援したくなるような、読了できてほんとに良かったと心から思う一冊でした。
「マザーツリー 森に隠された「知性」をめぐる冒険」

